今週は、問題と解法はお休みにし、受験指南の一環として、
受験突破戦略をテーマに解説したいと思います。

みなさんは、普段どのような勉強をしていますか?

漠然と問題を解いて、解説を見て、わからなかったところをしっかり理解して、
注意点を留意して、...の繰り返しでしょうか?

それ自体は決して悪いことではなく、むしろ王道の勉強法であると言えるでしょう。

受験,数学,算数

ここでは、プラスアルファで何が必要かを述べてみたいと思います。

ひとつ例を上げてみましょう。

TOEICの試験についてです。

普段から英語を勉強していて、学校の成績も優秀で、語彙力もそれなりにある人が、
ぶっつけ本番で試験を受けたとしましょうか。

また一方で、TOEICの試験にのみフォーカスをあてて、
過去問を徹底的に解きながらその傾向を探り、
TOEICの試験によく出る英単語を覚え、英文法を洗い、
長文の問題の傾向と対策を講じている人がいたとしましょう。

あなたは、どちらの人がより高得点を取れると思いますか。
殆どの人が”後者”と答えると思います。

実際多くのケースで、勝者は”後者”となりますが、
だからと言って、前者の英語力が後者より劣るということにはなりません。

でも、見かけ上もしくは世の中では、
後者の方が英語力があることにもなってしまいます。
実際は、後者の英語力が前者に比べて大きく劣っている場合もあり得てもです。

少し理不尽感があるかも知れないですが、これはTOEICだけに限らず、
その他の科目、試験、ましてやスポーツやプレゼンテーションなどの、
その他の分野でも同じで、残念ながら(!?)これが現在の世の中の評価の”王道”
であり”仕組み”となっています。

大事なことは、世の中の多くの人々がその”仕組み”をしょうがなく受け入れていて、
後は、それをしっかり実行するかしないかということにかかっているということです。

受験,数学,算数

では、具体的にはどうするのかを述べてみましょう。

受験には、学校によって必ず傾向があります。

問題の出題者も人間ですから、得意分野と不得意分野があり、
当然ながら、得意分野の出題が多くなります。

これは、過去問の出題傾向を見れば容易に分析できます。

出題者が途中で代わる場合もありますが、その校風は大きく変わることはありません。
なぜなら日本人の心理として、伝統的な傾向を大きく覆すような行動をとることには、
多くが違和感をもつからです。

過去の問題の傾向を分析するにあたり、以下のことは、絶対に実践すべきことです。

過去の問題の傾向はどうなのかだけでなく、何問くらい出題されるのか、
問題の難易度は出題順でどうか、上から順番に解くべきか、時間配分はどうすべきか、
部分点はくれるのか、何年に一回この分野が出題されがちなのか、
ほぼ出題されない分野はどこなのか、正解率は問題番号によってどうなのか、
何点以上取ればほぼ合格圏内なのか、ほぼ解けない問題が出題されるのか、

分析手順は、

自己分析、赤本の解説(問題の分析をしています)、先生の分析を参考にする、
先輩(合格者)の意見を聞く、友人と分析結果を共有する等、

が基本かと思います。

受験,数学,算数

次に数学的な分析をして、戦略を立てる一例をあげます。

配点性向に応じた科目別の勉強時間配分についてです。

例えば、国立大学の受験において、
一次と二次の配点割合が1:4だったとします。

これを、具体的な数字にしてみると、例えば二次の数学と国語の満点がそれぞれ、
200点と120点だったとしましょう。

そうすると二次の数学と、一次の国語には、
4倍X(5/3倍)=約6.7倍、の重み差があることになります。

全体では、
二次の数学で10点差をつけることは、一次の国語で67点差をつけることと同値になります。

例えば、数学と国語の一次と二次の点数をAさんとBさんで比べてみましょう。
一次数学、一次国語、二次数学、二次国語の順でスコアを並べます。
但し、スコアは点数でなく、満点に対する割合とします。

A : 90%-60%-80%-50%
B : 85%-90%-55%-80%

では、今度は実際の点数にしてみましょう。

一次は100点満点ずつで合わせて200点満点、
一次と二次の割合は1:4、従って二次は合わせて800点満点なります。

実際の二次の数学と国語の満点は200点と120点満点(比率5:3)ですが、
一次試験との比率を鑑みた重み付け後は、
数学は500点満点、国語は300満点と考えることが出来ます。

A : 90-60-400-150 = 700
B : 85-90-275-240 = 690

Aさんは、国語が非常に苦手で、比較的易しい一次でも6割、二次でも半分しか取れませんでしたが、
得意の数学では、二次で実力を発揮して8割も稼ぎました。
Bさんは、得意の国語は一次二次ともハイスコアを取りましたが、
数学では一次はまぁまぁ頑張ったものの、二次ではほぼ平均の55%に留まりました。

ところが、最終スコアを見るとAさんが700点、Bさんが690点となり、
Aさんがわずかにリードしています。
重み付けがなければ、
Aさんは280(%)、Bさんは310(%)となり、BさんがAさんを上回っていた筈でした。

この結果を見て、数学も国語もそれなりなCさんはどのような対策を立てるべきでしょうか。
国語のスコアを上げるべき時間と、数学のスコアを上げるべき時間に、
同じ時間を費やすべきでしょうか。

受験突破戦略は、実はこういうところから始まっています。